投稿時間:01/06/01(Fri) 14:48 投稿者名:Dr.Stinger
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タイトル:Re: ほかに方法はありますか?
こんにちは。 キシロカインはフジサワ製薬のリドカイン製剤の事です。 現在歯科で用いられてる注射用麻酔薬は、リドカインとプロカインの2種類です。 プロカインはリドカインに比べて麻酔の効果が低く使用する際は使用量が多くなりがちです。 多く打つと麻酔か聞いてる時間も長くなり不快です。 少ない量で、しっかり効く方がいいですし… そのような理由で現在歯科ではリドカイン製剤を主に使っています。
ショックの話なんですが、リドカインに対して反応するならば、 少し打っただけでも急激なショック症状を起こします。 そしてその処置は重篤で、意識喪失、呼吸困難など普通救急車を呼ぶほどです。 打ってから1分以上経過した場合、追加で打ったからといってショックは起こしません。 みーすけさんはおそらく緊張や不安からくる精神的ショック症状だと思います。 また、麻酔効果については製剤や打つ量の違いによって変わるほか、 打つ場所の炎症の程度で変わってきます。 炎症が強い場合そこは酸性になってます。 麻酔薬は塩基性なので中和されてしまうのです。 体質的な問題は殆どありません。あっても量のコントロールで解決できます。 打つ量の話なんですが、キシロカインだと1本で1.8ミリリットルです。 そのうちの2%が薬効成分です。 リドカインによるショックは薬液1滴で起こります。 これで大丈夫なようであれば4本ぐらいまでは大丈夫だといわれています。 ふつう、歯の治療では2本打つことはめったにありません。 打ったところからの漏れがある場合2本ぐらい打つこともありますが…
前置きが長くなりましたが、みーすけさんへのアドバイスとしては、 @大学病院などの大きな病院でキシロカインテストをしてもらう。 これが大丈夫であればキシロカインに対するショックは起こりません。 また証明されれば麻酔に対しての精神的不安が消えるでしょう。 A歯科治療を受ける際麻酔を打ってから暫く時間を置いて処置してもらう。 効果発現まで十分に時間をおきます。 B処置を行う前に十分な説明をしてもらいます。 よく話を聞けば不安感が減少すると思います。
私も毎日臨床をしていますが、みーすけさんのような方は時々います。 麻酔に対する恐怖と治療を受ける事の緊張感で、気分が悪くなるようです。 精神的なものは医師との十分な会話でかなり解消されます。 また、痛みに対して我慢するのはこの症状を助長します。 このあたりの事情を先生に十分理解してもらうべきですね。 十分な話をしてくれない先生であれば転院をしてみてはいかがでしょうか?
また、笑気吸入鎮静法というのがあります。 これは笑気ガスを吸う事で不安や緊張を和らげ、痛みを感じにくくする方法です。 人体に対しては害はありません。丁度お酒に酔ったような感じになります。 ですから意識もはっきりしてます。 このような方法を取ってみるのもいとつの手だとは思います。
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